遺産分割

相続人が複数の場合には相続財産はその共有に属しますが(民法898条)、相続開始後に相続人が共有する相続財産を、各相続人に分配・帰属させる手続が遺産分割です。

相続人は、遺言で分割を禁止された場合を除き、いつでも相続人間の協議で遺産分割を行うことができますので(民法907条参照)、遺産分割の期限について民法上の制限はありません。

ただし、相続税申告書の提出期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内とされている点には注意が必要です。

遺産分割における検討事項

遺言等がなければ、遺産分割は下記の法定相続分の割合に従うことになりますが、具体的相続分を算定する際には、相続人間の公平を図るために特別受益や寄与分が考慮される場合があります。

※法定相続分の割合(民法900条参照)
相続人が配偶者と子 配偶者:2分の1、子:2分の1
相続人が配偶者と父母 配偶者:3分の2、父母:3分の1
相続人が配偶者と兄弟姉妹 配偶者:4分の3、兄弟姉妹:4分の1

1 特別受益

一部の相続人が、被相続人から遺贈を受け、又は婚姻もしくは養子縁組のため、もしくは生計の資本として生前贈与を受けた場合に、受けた利益を特別受益といいます。

特別受益が認められる場合は、相続財産に特別受益の価額を加算したものを相続財産とみなし、特別受益を受けた相続人については、相続分から特別受益の額を控除して具体的相続分を確定させることになります。

2 寄与分

共同相続人の中で、被相続人の財産の維持・増加について特別の貢献を行った場合に、その貢献を寄与分といいます。

寄与分が認められる場合には、相続開始時の財産から寄与分を控除したものを相続財産とみなして相続分を算定し、寄与を行った相続人にその寄与分を取得させて、相続人間の公平を図ることになります。

遺産の分割方法

1 現物分割

遺産を構成する個別の財産の形状・性質を変更することなく、各相続人に取得させる遺産分割の原則的な方法です。

ただし、具体的相続分と実際の分割結果が一致しない場合には、差額について金銭による調整が行われることもあります。

なお、不動産を共有する場合には、権利者が複数となることで将来不都合が生じる可能性もありますので、遺産分割協議においてどなたかの単独所有とすることをお勧めします。

2 代償分割

一部の相続人に具体的相続分額を超える遺産を取得させる代わりに、当該取得者に他の相続人に対する債務を負担させる方法です。

現物分割が財産の性質上不可能な場合や、不動産のように財産が細分化されると財産価値を著しく損なうような場合に代償分割の可否を検討しますが、代償金債務を負担する相続人が支払能力を有することが必要となります。

3 換価分割

遺産を第三者に売却処分して、その代金を相続人間で分割する方法です。

現物分割が不可能かつ代償金債務の支払も困難であるような場合に検討します。

4 共有分割

遺産を具体的相続分に従って、物権的に共有する方法です。

現物分割、代償分割、換価分割のいずれの方法も困難である等の場合における最終的方法とされており、共有分割後の共有状態を解消するには共有物分割訴訟(民法258条参照)によることになります。

遺産分割における弁護のポイント

遺産分割の対象となる遺産の範囲を、どのように把握していくかがポイントです。

ある相続人が、被相続人と同居していた場合は、他の相続人には被相続人の財産が生前どのように費消されたか把握できないことが多く、生前贈与等が当該相続人に行われても発見は容易ではありません。しかし、弁護士に依頼して必要な調査を行うことで、生前贈与等が判明することもあります。

また、一部の相続人が被相続人の世話等を行っていた場合には、寄与分として遺産分割による取得分が増加することがあります。

他方、遺産に不動産が含まれる場合には、不動産評価が問題となります。評価の多くは大手不動産会社の査定によりますが、不動産鑑定士による私的鑑定によることもあります。

そして、遺産の範囲を特定するには、被相続人の相続開始時点の財産だけでなく、特別受益、寄与分なども基準とします。

すなわち、「遺産≒被相続人名義の財産+特別受益-寄与分」となります。

遺産の範囲を把握する必要性については、遺留分減殺請求の場合も同様です。

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